初恋
「はぁ?あんた何?寝言?」
「あんたみたいな地味でブス相手にされるはずないでしょ?」
「ほんとだけど?俺の彼女だよ」
ニヤけてる場合じゃなかった
反論もせずに言われっぱなしの高瀬
「は?賢人?」
「もう良い?」
俺は高瀬の手を取って教室を出た
手の温もりはあの時と変わらない
「中野くん?」
「あ、ごめん、」
俺は繋いだ手を離した
離れた温もりに寂しくなったけど
手を繋ぐって行為が、自分らしくない気がして
もどかしかった