初恋
過去への嫉妬







はぁー




屋上から立ち去ってからも教室には戻れなくて





わけもなくブラブラ




教室には高瀬が居るかも知れないし





なんか、今会ったらヤバイ気がする







「賢人!」





ポンッと肩を叩かれて振り替えれば





名前も知らない女






「一人?」




「……………」






「保健室、行く?」







腕を絡めて身体をすり寄せてくる





今までの俺ならそのまま何も考えずにセックス





欲を吐き出すためだけに





でも、その行為が酷く汚く思えて






「私たち初めてじゃないんだし」






俺はこの女を抱いたんだ





一度も二度も同じ




この女を抱いた記憶はないけど





事実はあるんだ、きっと







そっと、腕にまわされた手を取った






「賢人…………」






勘違いしたのか顔を赤らめる






「俺…………」






「あ、」






声がして振り向けば







「高瀬…………」





「………ごめん」





「高瀬!」





高瀬はそのまま立ち去った





俺は女を引き離し追いかける






俺が女を追うなんて






「ありえねぇ、」






そう呟きながらも





風が気持ち良かった







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