初恋
俺は高瀬の手を取ってそのまま屋上へ向かった
勘違いさせてしまった
高瀬の辛そうな顔が見えて情けなくなる
「ごめん!」
「え?」
「おれ、情けないけどデートなんて初めてでさ、
どう接したら良いかわからなくて………」
「私が………嫌なんじゃ、ない?」
「ごめん!違うから!」
「良かった…………」
少し瞳を潤わせながら言う高瀬に
自然に
触れたくなって
抱き寄せた
離れたくない
俺は高瀬が好きだ
「デートすげぇ楽しみだから」
「私も」
高瀬にとっては初めてではないのだろうと思うと
少しだけ胸が痛んだ