初恋
「「あ、」」
なんで?
今日に限って………
「あんた、帰ってきたの?」
悪いかよ
「中野くん?」
玄関先で止まったままで、高瀬は俺の後ろで何も見えてなかったはずだ
ひょこっと俺の背中から顔を覗かせた
「彼女?」
「あ、すみません!
私、高瀬優菜です!」
「へぇ?」
ジロジロと品定めするような目付きに嫌気がさす
「上玉ね」
「!!!」
なんて、言い方
俺だけじゃない、高瀬にまで
「高瀬!行こ「私、中野くんとお付き合いさせてもらってます」」
俺が引っ張った手を引き寄せたのは高瀬
握った手にぎゅっと力を入れてくる
震えているのは、高瀬?
俺?