初恋
「息子さんの彼女として見定めてください」
「は?この子の彼女なんて興味ないわよ」
高瀬の言葉に冷たく返す
いつもそうだ
この人は俺に興味なんてない
連れて歩くのに自慢できれば良い
ただの、飾り
そのあとは金蔓
俺を売って
「……………っっ」
嫌な記憶が蘇る
この人にとっては息子も息子の彼女も知らないヤツも同じ
'上玉'
高瀬を見てそう言った
高瀬にも手を出すかも知れない
高瀬に何かあったら?
この人ならやりかねない
「高瀬!もう行こうぜ」
この人の汚い視線に高瀬を晒したくない
ぐいっと引っ張っても高瀬は動かない
「高瀬?」
「お母さん…………賢人くんの彼女としてよろしくお願いします」