初恋






「あっ、中野くん!」






高瀬が俺の姿を見付けて駆け寄ってくる





少し優越感






「おはよう、高瀬」






「!!」





高瀬が驚いて大きな瞳を更に大きくさせていた






「高瀬?」




「あ、良かった………」




「え?」





「ちゃんと、話出来たんだね」






他人事なのに嬉しそうに笑って涙を浮かべる姿に






色んなものが吹っ飛んだ






「きゃっ!」





高瀬を強引に引き寄せて抱き締めた





自分も泣きそうになったからかも知れない





でも、愛しかった





高瀬が愛しくて、抑えがきかない






「中野くん?あの………」





「高瀬、好きだ」






もう、離せない





俺は高瀬の隣でしか笑えない









< 86 / 106 >

この作品をシェア

pagetop