初恋
なんで?
なんで?
「中野くん?」
力任せに屋上の扉を開けて、高瀬を壁に追いやる
俺の様子に高瀬は戸惑っている
大きな瞳には不安
そこにはいつもは、隠している眼鏡が無い
真っ黒で綺麗な髪は、いつもの様に結ばれてなくて
「なんで?眼鏡は?おさげは?」
「え?中野くん?」
「……………っっ」
真っ直ぐな瞳
この瞳を
この綺麗な髪を
この姿を
「こんな、可愛い姿、俺以外に見せるな!」
俺だけだ
高瀬は俺の、だ