あなたはまだ私を想ってくれていますか?
えっと…待て待て。落ち着け私。
私のこの手を引く人に驚きすぎて頭がうまく回らない。
私の手を引きながら斜め前を歩く彼を見てまた顔が熱くなる。
わ、私…水瀬先輩に手を引かれてる!?
「あ、あのっ…」
カラオケを出て少し曲がったところ。
そう声をかけると、ぴたりと止まって私を振り返る。
「あの…なんで…」
そういうとカバンを渡される。
「え?」
「…送る。家、どこ」
時間は夜の八時をまわろうとしていた。
「えと…〇〇っていうカフェの隣のアパートですけど…」
「ん」
そういって歩き始めた。
え、ほんとに送ってくれるの!?
…でも、なんで…