Alice In Happy End
第一章
「やぁ、アリス。気がついた?」
「白ウサギさん?」
「そうだよ、思い出してくれた?」
「なんとなく…」
「時間が経てば思い出すから安心して」
「…えぇ」
「じゃあ、行こう。僕の部屋に案内するよ」
「部屋? 家じゃないの?」
「そんな細かい事はいいから行こう」
私は走り出した白ウサギさんを追って
暗い森へと足を踏み入れた。
「待って白ウサギさん。
私、そんなに速く走れないの」
「あっ‼」
私は木の根に足をとられて盛大に転んだ。
「大丈夫か?」
私が顔を上げるとシルクハットを目深に
かぶった人影が手を差し出していた。
「…………」
反射で手を伸ばしたものの
触れるのは躊躇われる。
私が微妙なところで動きを止めていると
人影が私の手を取り優しく引いた。
「足首とか痛むところはないか?」
「だ…大丈夫です」
私は一生懸命、下を向いて答えた。
「本当に?」
「………はい」
服がシワになるのも構わず、裾を握りしめる。
助けてくれたのは嬉しいけど
早くどこかに行って欲しい。
「なら良かった。でも…………」
言葉が途切れたのを不思議に思い
私は顔を上げた。
そこには優しく微笑む男性の姿があり
一気に顔が熱くなる。
「でっでも、なんですか‼」
「やせガマンは良くないな」
その人はクスリと笑って続きを口にした。
「べっ別にやせガマンなんてしてません」
本当はさっきから
左の足首がズキズキと痛んでいる。
「そうか」
「そうです‼」
「じゃあ俺に
君を背負わせてくれないか?」
「…………」
「なぁ、良いだろ?」
「っ‼ いっいきなりなん…………
なにを言っているんですか‼」
頬がより熱をもつ。
頭が真っ白になりどうすれば良いのか
分からない。
「ほらよ」
そう言ってその人は
私に背を向けしゃがんだ。
「……………………」
黙って立っているとこちらを振り向いた。
「おんぶが嫌なら
お姫様抱っこをしようか?」
「…………」
私は渋々その人の背中に体重を預けた。
「白ウサギさん?」
「そうだよ、思い出してくれた?」
「なんとなく…」
「時間が経てば思い出すから安心して」
「…えぇ」
「じゃあ、行こう。僕の部屋に案内するよ」
「部屋? 家じゃないの?」
「そんな細かい事はいいから行こう」
私は走り出した白ウサギさんを追って
暗い森へと足を踏み入れた。
「待って白ウサギさん。
私、そんなに速く走れないの」
「あっ‼」
私は木の根に足をとられて盛大に転んだ。
「大丈夫か?」
私が顔を上げるとシルクハットを目深に
かぶった人影が手を差し出していた。
「…………」
反射で手を伸ばしたものの
触れるのは躊躇われる。
私が微妙なところで動きを止めていると
人影が私の手を取り優しく引いた。
「足首とか痛むところはないか?」
「だ…大丈夫です」
私は一生懸命、下を向いて答えた。
「本当に?」
「………はい」
服がシワになるのも構わず、裾を握りしめる。
助けてくれたのは嬉しいけど
早くどこかに行って欲しい。
「なら良かった。でも…………」
言葉が途切れたのを不思議に思い
私は顔を上げた。
そこには優しく微笑む男性の姿があり
一気に顔が熱くなる。
「でっでも、なんですか‼」
「やせガマンは良くないな」
その人はクスリと笑って続きを口にした。
「べっ別にやせガマンなんてしてません」
本当はさっきから
左の足首がズキズキと痛んでいる。
「そうか」
「そうです‼」
「じゃあ俺に
君を背負わせてくれないか?」
「…………」
「なぁ、良いだろ?」
「っ‼ いっいきなりなん…………
なにを言っているんですか‼」
頬がより熱をもつ。
頭が真っ白になりどうすれば良いのか
分からない。
「ほらよ」
そう言ってその人は
私に背を向けしゃがんだ。
「……………………」
黙って立っているとこちらを振り向いた。
「おんぶが嫌なら
お姫様抱っこをしようか?」
「…………」
私は渋々その人の背中に体重を預けた。