コンプレックス
コンプレックス
―――真希は彼氏難しいでしょ…。
その言葉は、私に大ダメージを与えた。体力を百として、一くらいに。いや、むしろマイナスだ。ドリルのようなそれは、私の心を抉っていく。
歯医者での治療をふとと思い出した。あれも痛いが、この言葉だって十分痛い。最悪だ。
その言葉を発したのは、あろうことかグループの一人だった。私がトイレに行って帰って来る前に、私は聞こえてしまったのである。
顔が大きいとか、胸がないとか、人の気にしていることをいいやがって…!
ああ、女子って。