コンプレックス





 友情なんてそんなもの、と諦めかけたが、茜が「馬鹿ね」と私の卵焼きを奪っていきながらいう。




「誰にだってコンプレックスくらいあるよ」
「いやまあ、そうだろうけど」




 顔が大きいのは、マッサージかなんかやればいいのだろうか?
 胸がないのは、豆乳とか飲めばいいだろうか?

 ―――だなんて、私だって色々とやってるんだけどな。
 



「気にしない気にしない。コンプレックスは最大の武器ともいうし」
「………私のは武器にならないでしょ」
「わからないよ?貧乳万歳とかいるし」
「なんかマニアックなんだけど」


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