浦和生まれと柏生まれの恋
JRに乗るのかなと思っていたら、梨沙は東武線乗り場の方へ行く。

「あ、あの、梨沙…JRだよね?」

「え、違うよ」

「えっ…。流山に行くには、常磐線経由で新松戸から武蔵野線だから…。それで南流山に着くから…」

「あっ、ごめん、言うの忘れてたね。同じ流山でも運河駅なんだ。だから、野田線なんだよお」

「あっ、そうなんだ!ごめんね、勘違いしてた。俺の実家の最寄り駅が武蔵野線の東浦和駅で、よく武蔵野線使ってるから流山って言ったら南流山思い出しちゃって」

「ふふっ、そうだったのかあ。確かにそう思っちゃうよね」

「うん、ごめんね」

「いいよ、いいよ。あっ、竜介、ICカード持ってる?」

「うん!持ってるよ!」

「なら大丈夫だね!行こっ」

「うん!」

そして俺と梨沙はICカードをかざし、改札を通った。

東武野田線のホームへと向かう。

ホームに着いてちょうど、

『まもなく1番線から野田市・春日部・岩槻方面、各駅停車・大宮行きが発車します』

とのアナウンスが流れたので、急いでその電車に乗り込んだ。

そして、タイミング良くドアが閉まる。

俺と梨沙はホッと胸を撫で下ろした。

電車はガタゴトと動き出した。

俺と梨沙は隣同士で座った。
「タイミングよく乗れて良かったね」

「うん。そういえば竜介、さっき最寄り駅が東浦和って言ったよね」

「うん。俺の家は東浦和駅から歩いて5分くらいのところなんだ」

「おー、近い!」

「近いよ!」

「小学校や中学校はどこ行ってたの?」

「えっと、小学校は南区の向小学校ってところで、中学校は地元・緑区の尾間木中学校ってところ」

「尾間木!知ってるよ、その地名!お父さんの車で通ったことあるよ!」

「え!?本当!?」

「本当だよ!私、浦和好きでよく行くから結構詳しいんだ!国道463号線の沿線にあるよね!」

「うん!そうだよ!すごい、詳しすぎる!」

俺は思わず感動してしまった。

「まるで浦和出身なのかと思うくらい詳しいよ!」

「ありがとう!いやー、浦和に生まれたかったよ、本当に。竜介は生まれも育ちも浦和なんでしょ?」

「そうだよ!」

「そっか。私は生まれは柏で、育ちは神奈川なんだ。ちなみに生まれた病院は柏3丁目の巻石堂病院ってところ」

「あっ、その病院知ってるよ!日体に行くときに戸張行きの阪東バスで通ってたから」

「日体?」

「あっ、俺、柏日体高校に通ってたんだ。高校から本格的に選手目指して東浦和から来てたんだ」

「へえ、すごい!」

「へへっ」

褒められて嬉しかった。


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