壊れる前に
私、空手と剣道しかできないけど・・・多分、大丈夫!男達のほうを見ると何か、小声で話している。

「この娘だよな。」

「ああ。でも、聞いていた話と違うじゃないか。」


あ、あの・・・全部聞こえてますよ。

私、そんなに運動できないと思われてたんだ・・・。


って・・・ん?

私達の家系は一応有名なお菓子の会社なんだけど、屋敷は親戚以外には知られていないはず。ましてや、私の個人情報なんて流出していないはずなのになんで・・・?


もしかしたら、ライバル会社かなにか?


だとしたら、早くお母様に報告しないと・・・!いや・・・でも、まって。もし私の早とちりだったりでもしたら、お母様に報告するのはまだ早いかな。そう考えて男達のほうを見ると、男達はニヤリと笑っていた。

・・・・?


ガツン!!後頭部に激しい痛みが走る。何やってんだろ・・・私。


結局迷惑かけてばかりじゃない。


「相良さんに成功したと伝えてくれ。」


その声を最後に私は目を閉じた。
< 3 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop