壊れる前に
なんで!なんで!なんで!

どうして、あなたは・・・。

ああ。アンタなんか産まなければよかった・・・。アンタなんか。アンタなんか。アンタなんか。アンタなんか・・・・

いなくなれ・・・。

バシッ!バシッ!


ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

頭を何回も何回も叩かれる感覚が蘇ってくる・・・。


バシン!!!!!!!!

思いっきり頭を殴られた瞬間に目が覚めた。


ここ、どこ?


部屋一面が真っ白。

私が寝ているベッドも真っ白。

上半身を起してみると窓とドアが1つ付いていた。ホントに真っ白だなぁ・・・。

何でこんなに私落ち着いてるんだろ?拉致されて人質にされるのに。どうして?


ガチャ・・・。

真っ白なドアが開き、男が出てきた。

男は高身長で整った顔立ち。

真っ黒な髪。しかし、一部分だけ真っ白な髪も混ざっている。


「あ、起きた?」

不意に話しかけられ私は硬直状態に陥ってしまった。この人は私を人質にして財産を騙し取るつもりなんだから・・・。

「あ、貴方の目的は財産ですか?」

私は震える声で男に話しかけた。

男はニコリと微笑みながら私の座っているベッドに近寄ってきた。男は私の隣に腰掛けると私に向かって手を伸ばした。

「きゃぁ。」


私は腕で顔を守るようにし、男から顔を背けた。男はその腕を無理矢理どけ、私の顎を右手で上げた。

「僕はそんなものに興味はない。」

そういって、男は私に口付けた。

「な、な、な、な、な、な、なにするんですか・・・!?」

私は驚いて男の手を振り払ってしまった。
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