振り返って、キス
一条くんの腕の中
翌日。
今日も、チュンチュン…と鳥の鳴き声がきこえてきた。
目をあけて起き上がり、そのままボーッと布団を見つめる。
一晩寝ると、昨日の事が嘘みたいなんだけど。
Γ用意しなきゃ」
とりあえず怠い体を起こして階段を降りた
・
Γ行ってきます」
Γいってらっしゃい」
お母さんの声で私は玄関を出る。
そしていつものように、いつもの待ち合わせ場所に行き
いつものように紗稀ちゃんと会う。
そしていつものように学校につき、
いつものように教室へ入る
…はずだった。
Γ星野」
いつもの事を阻止されたのは、この私を呼ぶ声。
誰かと振り向けば
Γい、一条くん…?」
紛れもないあの一条くんでした
Γおはよう」
Γおはよ…」
きっとひきつっているだろう笑顔をとりあえず向けておく。
紗稀ちゃんは、
Γ邪魔かな、邪魔だね邪魔だね」と言ってその場をそそくさと離れていった
…けっこう、困るんだよ…?
…しかも、挨拶しただけで何話したらいいか分かんないんだけど!
とりあえず、笑っとく。
キーンコーン…
なんてタイミングがいい!
助かる
Γあ、じゃあね」
一条くんが出ていく。
あぁ…この笑顔が遠ざかっていく
…ついでに女子の視線も遠ざかっていく(^^)
…よかった。
…のか?