漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
「改めてってわけじゃないけど、みんなには、先にちゃんと話しておかないといけませんね。」
恭は、そう言いながらあたしの肩を抱く。
「俺達は、正式に付き合う事になりました。
みんなには、俺の勝手で本当に申し訳ない。この大変な時期に、更に負担を増やすなんて総長としてあるまじき事をしていると思う。」
恭は、みんなに頭を下げる。
あたしも慌てて頭を下げる。
「でも、ごめん。俺の中で、もう茉弘が居ないなんて有り得ない。
茉弘以外の姫なんて有り得ない。
俺も、茉弘を守るために最大限の努力をする。煌龍の為に、これまで以上に尽力する。だから……みんなも力を貸してくれないか?」
あたしの肩を抱く恭の手に力が籠る。
何となく恭から緊張が伝わってくる。
恭も緊張したりするんだ。
「当たり前だろーが。」
さっきから黙っていた太一が口を開く。
「お前だけの手に負えるわけねーだろ。そのちんちくりん。」
誰がちんちくりんだ。誰が。
「そうだよ!俺達仲間でしょ!?恭と一緒に、茉弘ちゃんも煌龍も守るに決まってるじゃん!!」
春馬頼もしいなぁ。
「あんたの判断は正しいよ。もし茉弘捨ててきてたら、あんた命なかったと思いな。」
百合さん……大好き。
「だぁぁぁぁーーっ!!!すんげー悔しい!!!……けど、茉弘ちゃん居なくなるよりはいいか。いいか!恭!!泣かせたら、俺のにするからな!」
あんたの物にはなりません。
でも、直ありがとう。