漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
そして、ゆっくりと前のめりになると、自分の額を冷たい地面につけた。
「……っごめん。」
誰に対する言葉なのか、自分でもよく分からない。
葛原は、尚も冷たい目であたしを見下ろしている。
「ごめん。あたしは……どうなってもいいから。何でも言うこと聞くから。
だから、お願い。潤だけは……自由にして。」
「それは、煌龍の情報は言流せない。でも、弟は自由にしろと。
そう言ってるわけか?」
「……っ」
あたしは、額を地面につけたままコクンと小さく頷く。
自分でも、むしのいい話だって分かってる。
だけど……
だけど、どうしても煌龍のみんなを裏切るなんて……出来ない……。
恭を……
裏切るなんて……。
涙が溢れそうになって、あたしはギュウっと目を瞑る。