漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


「わかった……」



─────え?


今、分かったって……!!


「……っ」


一筋の希望が見えた気がして、あたしは期待を込めた顔で葛原を見上げる。


でもその希望は葛原の顔を見て、すぐに打ち砕かれる。


あたしを見下した気味の悪い薄ら笑い。


蔑む目。


不気味に弧を描く唇。



「…………とでも、言うと思ったか?」




───ドスッ


「うっ……かはっ」



腹部に抉るような強い衝撃が走る。


葛原の右足が、あたしの左腹部にのめり込んでいた。


「うぅっ……」


呼吸も出来ないほどの痛みに、あたしはその場で踞る。


意識がうっすらと遠退く中、葛原はそんな事はお構い無しといった様子で、踞るあたしの髪の毛を掴み引っ張り上げる。


「なぁ?なぁなぁなぁなぁ?世の中そんなに甘いと思ってんの?」


浅い息を繰り返すあたしの頬を、葛原はやはり容赦なく叩く。


「……っ」


口の中に血の味が滲んだ。

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