漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】

「あ?何だお前?俺に楯突こうってのか?あ?」


今にもキレ出しそうな葛原の目を、冷静な眼差しで受け止める潤。



「……茉弘に手を出すのなら、俺はあんたに何するか分からない」



潤……。


まさか潤が葛原にそんな事を言うなんて……



驚きと同時に胸が熱くなる。


「お前……裏切るつもりか?俺への裏切りは、三豪会……親父への裏切りって分かってのことか?」


潤は、尚も真っ直ぐ葛原を見据えている。


葛原は潤を追い詰めるようにそう言うが、潤は一向にうろたえる様子はなくて……


「……それでも。
茉弘を傷付ける奴はどんな奴だろうと許さない」


なんの迷いもなくそう言う潤に、葛原は怒りで肩を震わせる。



────ヤバイ!


そう思った時には、葛原は拳を振り上げている瞬間だった。



「潤っっ!!!!」



───RRR……RRR……


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