漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
潤は、抵抗するのも諦めたのか、また目を瞑ってしまった。
昔はよくこうやってピッタリとくっついて一緒に居たけど、この歳になると少し照れ臭いものだね。
お母さんのお腹にいる時からずっと一緒で、産まれてきてからもやっぱり一番近くにいた存在で、
お互い考えている事なんてお見通しだった。
なのに、いつからだろう?
こんな風にお互いが全く違った考えを持つようになって、何を考えて、何を思っているのか分からなくなって……
こうやって側に居るのが当たり前ではなくなってしまった。
潤と離ればなれになったあの日から、あたし達は別々の道を歩き出していて、
それでも一緒に居たくて、居るべきだと思っていて……。
でも、それはもしかしたら、あたしの"エゴ"ってやつなのかもしれない。
もしかしたら潤は、そうは思っていないのかも……。