漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
「じゃあ、俺が言ってみせようか?」
そう言って恭は、あたしの両頬を包み込む。
「茉弘。俺を信じて。頼って。
俺は、茉弘が何と言おうとずっと側にいる。他の誰にも触らせたくないし、誰にも傷付けられたくない。
茉弘を笑顔にするのは、いつだって俺でありたい。」
……恭。
「茉弘を苦しめる全ての事から、茉弘を守りたい。」
凄いワガママだろ?と言って恭は苦笑する。
あたしは、また思い切り首を振る。
恭のバカ……
そんなのワガママなんかじゃないよ。
全部、全部、あたしの喜ぶ事じゃない。
でも、それは恭が望む事でもあるの?
あたしがそれに応えれば、それは恭の幸せにもなるの?
そんな都合のいい事、あってもいいの?
でも、もしそれが許されるのなら……──