漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
あたしって、なんて幸せ者なんだろう……。
こんなに温かいものに満たされた気持ちになったのは、お父さんとお母さんが生きていた時以来かもしれない。
ついこの間まで、あたしは真っ暗闇を一人で歩き続けていた。
ただ一人、あるかも分からない出口を探しながら……。
まだ出口が見付かったわけじゃない。
潤を取り戻すまでは……。
だけど、"一緒に出口を探せばいい"と言ってくれる人達が居る。
真っ暗闇も、"手を取り合って歩けば怖くない"とあたしの手を取って歩いてくれる人が居る。
あたしは…………一人じゃない。
ねぇ、潤。
きっと今のあなたは、今までのあたしと同じで、一人真っ暗闇を歩いてる。
でもね、必ずあなたの闇にも光が射し込むはず。
あたしが、あなたの手を取ってみせる。
だってまた、あなたの笑顔が見たいから……。
だからどうか、
どうか、無事でいて───