漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
「……そっか」
と瞳を伏せて、あたしの髪に触れる恭。
掬ったあたしの髪にキスをする。
そして、ゆっくりとあたしを捉えた瞳は、
"男の人"
そのものだった。
「……っん……」
あたしに触れていく恭の手は、酷く優しくて、
あたしを心底大切に思ってくれているのが伝わってきた。
キスの度に混ざり合う吐息も、
重なり合う肌と肌も、
繋がれたその手も。
全てが思いを伝え合う。