漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
「おはよ。よく眠れましたか?」
そう言って弄んでいた眼鏡を掛け、ニッコリと微笑む恭。
いつもの優男スマイルに妙にホッとする。
「……お、おはよ。凄いぐっすり寝た気がする」
「それは良かった」と安心したように言った恭は、あたしの様子に気付いたのかすぐに首を傾げて、
「……どうかしました?身体辛い?」
と言って今度は心配そうな顔になる。
う……
身体辛い?ってさ……怪我だらけだからなのか……
それとも、そういう事をしたからなのか……。
どっちの意味にもとれるそのセリフに、みるみる恥ずかしさがぶり返してくる。
熱くなってくる顔を隠すように恭から顔を反らして、
「だ……大丈夫っ!……」
とだけ返事をすると、恭がクスッと息を漏らす音が聞こえた気がした。
「茉弘、可愛い」
「……っな……!」
「よ、い、しょっと……ハイ。おいで」