漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
吹き出す音のした方を見ると、恭が腹を抱えて笑っている。
ちょっ……!
何であんたが笑ってるのよ!!
恥ずかしくて、真っ赤になって震えていると、恭が涙を拭いながらあたしをまた引き寄せる。
「最高。」
そう言って、あたしの頭を撫でる恭。
「みんなには不安にさせて悪かったな。
俺の言い方が悪かった。」
恭は、みんなに向き直る。
「反乱因子の件は、俺が煌龍を立ち上げた時に爪が甘かったからだ。それは、認めるよ。
でもその件は、幹部で総力を尽くして動いてる。安心して欲しい。大丈夫だ。中から亀裂は入れられても、崩壊なんてさせやしない。」
心なしか、みんな安堵の表情を浮かべる。
恭の言葉って、こんなにみんなを一喜一憂させるんだ。
あたしもその中の一人だけどさ。
「あと、俺はみんなに茉弘を守って欲しいと言ったが、あれは撤回する。」
???
「この子は俺が守るよ。俺の命に代えてもね。」
恭が、あたしを目を細めて見る。
「……っっ!」
どうしよう。
胸の中がキュウっとなって苦しい。
「みんなには、力だけ貸してもらいたい。」
そう言ってみんなを見た恭は、力に満ち溢れている顔をしていた。
みんなもそれを見て安心したのか、一斉に
「「「はいっっ!!!!」」」
という声が、倉庫内を震わせた。