漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
いやさ、理屈は分かるよ。
理屈はさ。
でも、だからってさ……
こんな何百人もの不良達のど真ん中に立つなんてさ!!!!
「茉弘。大丈夫ですか?」
あたしが、顔面蒼白でプルプルと震えていると、恭が心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「だ、だ、だ、だ、大丈夫っ……うぷ。」
うぅ。
あまりに沢山の人の視線と緊張のせいで、気持ち悪くなってきた……。
恭は、あたしの腰に回していた手で背中を優しく擦る。
「また強がるんだから。」
と言って苦笑いしている。
正直、大丈夫じゃない……。
全然大丈夫じゃない……。
その日の前日…………