漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
「見てないから。自意識過剰。」
「ははっ!恭言われてやんのっ!茉弘ちゃんは俺を見てたんだよね~?」
「それはない。絶対にない。」
「ぐはぁ!(死)」
「…………」
「分かった。分かったから恭。その目で圧力掛けんの止めて。出て行きますから……はい。出て行きますから。」
そう言って直は、大袈裟に肩を落としながら幹部室を出て行く。
「で?何で見てたんですか?」
「何でもないってばっ。」
そう言うと、恭の手がスルッとあたしに伸びてきて、その手がトンっとあたしの肩を押す。
不意打ちを食らったあたしは、ベッドの上に仰向けで倒れる。
恭はそんなあたしの上に、覆い被さる。
「んっ」
そして、頬にチュッとキスをする。
「言わないと、食うよ?」
ニヤリとする恭。
「!!!!」
体が火照り出し、一気に顔が熱くなる。