漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】

俺はきっと、親父の後を継ぐことになる。


「俺に…茉弘との未来はないんだ」


君をあの闇の中に連れてい行くわけにはいかないんだ。


茉弘は光の中がよく似合うから…。


「酷な事をしてごめん。最初からこうなる事が分かっているのなら、やっぱり俺の気持ちなんて伝えるべきじゃなかった。俺達は結ばれるべきじゃなかった。
言い訳に…なってしまうかもしれないけど、こんなに茉弘に溺れるなんて自分でも予想していなかったんだ」


君に溺れれば溺れるほど、君をあの闇の中には連れてはいけないと思った。


君への想いは募るのに、


君との未来は、消えていった。


「ごめん…本当に、ごめん」





「許さない。」



俺は、茉弘から返って来た言葉に思わず下げていた顔を上げる。


「絶対に許さないっ…!」


そこには、唇を強く引き結んで、怒りのせいか小刻みに身体を震わす茉弘の姿があった。



…そりゃそうだ。


俺は恨まれて当然な事をしている。


「恨まれても…仕方ないと思う。許して貰おうと…思ってるわけじゃない…」



「違うっ!!!!!!」



「……え?」



「恭はバカだ!大バカだっ!!

何で全部一人で勝手に答えを出して、決めちゃうの!?」


「茉ひ…」


茉弘はドンッと俺の胸を叩く。


何度も。


何度も。


「茉弘…落ち着いてっ…


「落ち着けるわけないっ!!!!」





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