漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
「恭も大概に心配性だな。」
「え?」
「ほら 。」と言って、理さんが顎で指示する方を見ると……
あ!
俊太が、こちらにペコッと頭を下げて来た道を戻って行く。
「恭が、俺んとこまで無事行けるように見張らせたんだろ。」
うそでしょ!?
全然気が付かなかった……。
そんなこっそり付いて来なくても……。
まぁ、気が付いたら気が付いたらで、要らないって言っちゃうけどさ。
そうなると思って、こっそりつけさせたな……。
恭め。
「あの……迎えに来て貰っちゃって、すみません。ありがとうございます。」
「気にすんな。柚菜が待ってる。行くぞ?」
「はい。」
理さんとそのまま改札を通り、電車に乗る。
お星さま☆までは、大体ここから3駅ほど。
空いていた席に二人で腰を掛ける。
……なんか
……なんか
ちょっと気まずいんですけど……。
理さんとは、この間だって全然話してないし、なんとなく……あんまり喋る人ではないみたいだし。