漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
「でも俺は正直、仲間とか……よく分かんねぇ。
そういうのをどうやって作っていくのかも、守っていくのかも、分かんねぇんだよ……。」
俺は初めて弱音を吐く恭に、驚きを隠せなかった。
「今まで、どうにかしてそういう事から逃げて来たのに……こいつと居ると妙なこと考えるようになって……。本当に面倒くせぇ。」
恭が俺を見る。
この間言ってた面倒臭いって、そういう事だったのかよ……。
お前本当は、そんなに考えてくれてたのかよ。
何だ俺。
今すげぇ嬉しいんだけど。
「……どうしたら、あんたみたいになれる?
風雅みたいな族を作れる?仲間を……守れる?」
「…………。」
「…………。」
「……言葉遣い直せば?」
面倒くさそうに、鼻で笑いながら答える理さん。
また雑誌を読み出す。
あ、あれ?
今恭がガラにもなく真面目な話してるとこだったよな?
今、それをこの人一蹴りしましたよ。
ほら。
ほら!
恭絶対怒ってるって!!
こめかみに青筋たってるから!!
俺と同じく、柚菜さんもおろおろしている。
「帰るぞ。太一。」