漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



「作ろうぜ。家族みたいな仲間を。
そんで、テッペン目指そーや。」


俺は、恭に手を差し出す。


恭はそれを見て、ニヤリとする。



「言われなくても。」



------パァンッ!!!!!



俺の掌と恭の掌が激しくぶつかり合う。


この時、今まで一人ぼっちで歩いてた俺らの道が、重なった気がしたんだよな。


不安なんてまるでなかった。


あったのは、こいつとなら何でも出来るという"確信"だけ……。







-----カランカラン……



「あれ?太一??」


"お星さま☆"と書かれた扉を開けると、コーヒーカップを片手に女が振り向く。


すっとんきょうな顔しやがって……。


「何でいるの?」


「誰かさんを迎えに来たんだろーが。
うちの総長さんの命令でね。」



あの後恭とは、お互いの事を色々話した。


恭の生い立ち。


恭のかーちゃんの事。


恭のとーちゃんへの思い。


俺が思ってたより、恭はすっげぇ色んな事を抱えてた。


ずっと一人でそれを背負ってたんだって思ったら、やっぱり恭はすげぇなって思った。


俺の悩みなんて、ちっぽけなモノに感じたんだ。


「あっれぇ!?たいちゃん!?」


「お久しぶりっす。柚菜さん。理さん。」


俺は二人に頭を下げる。


「さては恭ちゃんのお使いだね~??」


「まぁ、そんな所っす。」


柚菜さんと理さんには、あれからもちょくちょく会ってた。


恭は、何の意地か分からんがこの二人にはあんまり会いたがらない。


だから、無理矢理引っ張って連れてったりした。


多分恭は照れ臭かったんだろうな。


自分が変わろうとしてる姿をこの二人に見られるのが。


まるで、反抗期の息子みてぇだ。


「ねぇ、太一知ってる?」


「あ?」


「理さんの作るお料理、すっごい美味しいの。」

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