漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】

こいつのどこがそんなにいいんだ??


そりゃ見た目は可愛らしい方だとは思うが、気は強いし、生意気だし、なんか普段ツンツンしてるし……。


ちんちくりんは、でかい目をさらに見開いて、口をポカンと開けながら俺を見てる。


すると、急にボンッと顔が赤くなり、俯く。


何だ何だその反応はっ!?


「…………そうなら……嬉しいな。」


そう小さな声で呟く。


「……でも、恭が例えすっごく口が悪くても、あたしは怖くなんかないのにな……。

恭がどんな風でも、恭は恭でしかない。
あたしは、恭ってだけでいい。」


愛しそうに恭を思い浮かべながら、そんな事を言うこいつを見て、俺は思ったんだ。


これから先、こいつは恭の事をもっともっと知っていくだろう。


恭のもっともっと暗い部分に触れていくことになるだろう。



それでも。


それでも、今の言葉を言えるだろうか?


いや、言って欲しい。


少し悔しい気はするけれど、俺なんかよりもっともっと恭の深い部分に入れるのが、こいつであればいい。


恭が傷を癒せる唯一無二の場所。


それが、こいつなら……



「おら。のろけてねーでそろそろ帰んぞ!!もう、外暗いんだからな。遅くなると、俺が恭にしばかれんだからなっ!」



……なんて。


唯一無二の親友が、祈っててやるよ。



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