カタブツ上司に迫られまして。
「営業所の所長が、それに気づいたのは半年前。それ以前にはなかったと断言していたが……悪いな」
悪いな? 何が悪いんだろう?
これも仕事のうちじゃない。
意味が解らなくて課長を見ると、どこか苦笑したような、微妙な視線と目があった。
「システム系に一番強いのが上野だし、数字に一番強いのがお前だったから。今日も不動産に行くつもりだったんだろう?」
「まぁ……いつまでもご厄介になっていられませんから」
「一生厄介になってもいいと言っているんだがな」
真面目な顔でそう言って、いつの間に受け取っていたのか、課長は物品管理室Aとプレートの入ったドアの鍵を開ける。
中に入ると、ファイルキャビネットが……20台。
整然と並べられたファイルを指差し、それから課長は私を振り返る。
「今年のファイルだそうだ。一応、本社の管理下に移送された分は、部長に采配任せてきた」
ずらっと並ぶファイルの多さに愕然として、ぼんやりと課長を見た。
まさかとは思うけれど、この量を二人で……?
仕事中の課長はいつも真面目だけれど……どこか疲れたようにへらっと笑うと、ネクタイを緩めて腕捲りを始めている。
「だから、悪いな」
そういう意味か──!!
悪いな? 何が悪いんだろう?
これも仕事のうちじゃない。
意味が解らなくて課長を見ると、どこか苦笑したような、微妙な視線と目があった。
「システム系に一番強いのが上野だし、数字に一番強いのがお前だったから。今日も不動産に行くつもりだったんだろう?」
「まぁ……いつまでもご厄介になっていられませんから」
「一生厄介になってもいいと言っているんだがな」
真面目な顔でそう言って、いつの間に受け取っていたのか、課長は物品管理室Aとプレートの入ったドアの鍵を開ける。
中に入ると、ファイルキャビネットが……20台。
整然と並べられたファイルを指差し、それから課長は私を振り返る。
「今年のファイルだそうだ。一応、本社の管理下に移送された分は、部長に采配任せてきた」
ずらっと並ぶファイルの多さに愕然として、ぼんやりと課長を見た。
まさかとは思うけれど、この量を二人で……?
仕事中の課長はいつも真面目だけれど……どこか疲れたようにへらっと笑うと、ネクタイを緩めて腕捲りを始めている。
「だから、悪いな」
そういう意味か──!!