ゆめくい
ぱちん。
どこかの家の中。遠くで蝉が鳴いている。
じっとりと汗ばんだ肌が、きもちわるくてきもちわるくて、
海に入る。
泳いで、流されて、泳いで、流されて。
島に着く。
誰もいない島。
白い砂浜が、綺麗で弾けて、目が覚めた。
どろどろヘドロが、乾いた血みたいな空と一緒にみえる。
ヘドロがこちらに迫ってくる。
どんどんどんどん迫ってくる。
周りはもうヘドロだらけ、
赤茶けた空とヘドロと私。
もう足も埋まってそのうちヘドロと赤だけになって、
ガバリと起きる。
身体を布団がキツく覆っている。
外は雪。びゅうびゅうと吹雪く。
寒い。
布団が足りない。
もっと、もっと、布団が欲しい。
ギュウギュウ布団が締め付ける。
ああ、あったかい。
眠ってしまいそう。