ルームシェア。
【1】偶然の再会と始まり。
最悪だ。
何度だって言ってやる。最悪だ。
俺は、大型チェーン店のコーヒーショップのテーブルに向かって今日何回目かわからないため息をついた。
テーブルの上にはもう氷が溶けてる空のカップと不動産屋から貰った資料達。
22歳になった俺はさすがに実家からの仕事場への通勤はキツく、近くのアパートとかを借りようと思ったが…。
「全敗かよ…」
周りに聞こえないくらいの独り言を漏らした。
今日中になんとか良い感じの物件があればと思い、数々の不動産屋を見て回ったがどれもなんだかピンと来ず、今に至る訳だ。
駅から近くて場所がいいとやっぱ家賃も上がるし、家賃が安くて内装も文句ないと思えば、駅から遠くて場所がいまいちだったり。
てか、駅から30分って馬鹿なのか?そんな所にアパートなんか建てるんじゃねーよ!
そんな悪態をついても問題が解決されるわけでもなく、さらに落ち込む。
さっさと決めたいし、仕方ねーからこの中から選ぶか。
その前にコーヒーをもう一杯頼むか。
席から立ち、レジカウンターに向かう時だった。
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