ルームシェア。

翌日の朝。

電車の中で時間を確認する。

待ち合わせの場所に着くのはたぶん10分前くらいだな。

そろそろ着くし、連絡するか。

スマホを取り出し、昨日登録した姫島の名前をタップしてチャット画面が表示される。

えーっと、もうすぐ駅に着くっと…。

慣れた手つきで送れば、すぐに既読が付き、返事が来た。

早っ!


『了解です!南口の改札前で待ってますよー( ´ ▽ ` )ノ』


なんだかふてぶてしい猫のスタンプと一緒に送られてきた。

あいつもう待ってるのかよ。はえーよ。

そうこうしてれば、目的地に到着する。

ぞろぞろと人が降りて、俺も混じりながら降りる。

さーて、南口だったか。

すぐに見つかった改札に向かうと、外の柱の近くに携帯を見てる姫島がいた。

すると、顔を上げて俺のことに気づいた。

昨日と変わらずの笑顔を浮かべてぶんぶんと俺に向かって手を振る。


「黒崎くーん!こっちだよー!」


終いには名前を呼んだ。

外にいた他の人まで、俺の方に向き始めた。

あのアホ!

俺は早足で改札を出て、姫島の元へ行く。

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