ルームシェア。


「お前はいいのかよ」

「なにが?」

「俺が住むってことはプライベートとか丸見えなんだぞ」

「大丈夫!そういうの気にしないよ!それに、お兄ちゃんが心配だから誰か友達とルームシェアしろって言われたの!」


だから安心して!と言わんばかりの顔をする姫島に頭を抱える。

きっと姫島の兄貴だってそういう意味で言った訳じゃないだろう。

恐らく、友達と言っても女友達のことを言ってるに違いない。

昨日初めてまともに喋った俺なんかとルームシェアしてるなんて聞いたら激怒する。

たぶん俺だったら怒りを通り越して呆れてしまう。

それに、俺が言ってるプライベートとはそういうことじゃない。


「それにお前、彼氏とかいるんだろ?そういうのはいいのかよ!」


顔もいいし性格もいいと思う。

それに気が利く姫島だ。

彼氏の一人や二人はいるはずだ。

いや、姫島に限って二人はさすがにないか。

そんなことより!彼氏がいるなら、俺が住むのはマズイ。

彼女が他の男とルームシェアなんて聞いたら間違いなくぶっ飛ばされる。

頭が痛くなり、抱えると姫島から意外な一言が返ってきた。


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