ルームシェア。


「うーん…やっぱり足りなかったな…。ごめんね、ちょっと待ってて!」


そう言うと姫島は席を立ってどこかに行った。

時計を見るともう20時半過ぎ。

これじゃ今日は物件を探すのは無理そうだな。

まぁどうせ気に入ったのなかったわけだし、いいか。

また明日仕事帰りとかに少し違うとこを見て回ろう。

自己解決をしてコーヒーをすすっていると姫島が何かを手に持って帰って来た。


「お待たせー。やっぱ砂糖足りなくて持ってきちゃったよー」


姫島の手にはパッと見て10個手前くらいのガムシロップ。

こいつ、嘘だろ。

俺が唖然としてると姫島はお構いなくカフェラテにガムシロップをぶち込む。

1個、2個、3個…。

そこでハッと意識を戻し、4個目を入れるその手を掴んだ。


「お前、何個入れてんだよ!体壊すぞ!馬鹿か!!」


まさか止められると思わなかったらしくポカンとした表情で俺を見つめる。

こんなん、俺じゃなくても止めるだろ普通!!


「でも、いつもこれくらいだから…」

「そんなに甘くするならココア頼めよ!!」

「えぇ!?ここってココアあるの?」

「あるだろ!大抵のコーヒーショップにあるわ!!メニューちゃんと見ろ!」


普通メニュー見ればわかるだろ!

知らなかった。姫島ってこんなに抜けてるやつなのか。

そんな俺の心情を知らずに姫島が突然クスッと笑った。

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