ルームシェア。

席を立ち、空になったら姫島のカップをゴミ箱に入れてレジカウンターに向かう。

途中で姫島が何か言ってた気がするがそこは気にしない。

さっさと俺は目当てのものを頼んで席に戻る。

大人しく座ってる姫島にズイっとそれを前に出す。


「…これは?」

「あ?見ればわかるだろ。ココアだよ。それならそのままでも飲めるだろ」


ココアを渡せば、なんで?と言ったような顔をする姫島に早く飲むよう言えば、一口だけコクッと飲んだ。

ぱぁっと笑顔になる。


「美味しい!やっぱり美味しい!」


それから無我夢中で飲む姫島を見てなんか癒される。


「あ!ココア代…ちょっと待って…」

「あー別にいいよ。さっき俺も奢ってもらったし」

「でも…」


なかなか財布をしまわない姫島に俺は、にぃっと笑って言う。


「俺は、優しいからな」


そんな俺を見てポカンとしたけど、すぐに笑った。

やっぱり、よく笑うやつだな。



*偶然の再会と始まり。
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