ルームシェア。
【2】10歩先に事件。
それから少し世間話をして、俺たちは店を出る。
なんやかんやで長時間、店にいたらしく今の時刻は21時過ぎくらい。
お互い明日は休みだが、このいろいろ抜けきってる姫島をあまり遅くに帰すのは心配だ。
二人とも帰りが駅方面で一緒だから今は、歩いてる。
ふと、反対側の歩道を見ると不動産屋があった。
あんなとこにもあったのか。
「姫島、悪い。ちょっと寄ってもいいか?」
「いいよー。どこに?」
「ちょっとな」
ちょうど信号が青になり、目当ての不動産屋の前にある物件情報を見る。
うーん、あんま変わんないな…。
「不動産屋?この辺で部屋探してるの?」
「まぁな。調べたらこの辺が安いし仕事場から近いんだけど、あんまいい出会いがないっつーか」
「他と比べたら安いしねー。ふーん…そっか〜…部屋かぁ…」
姫島は、へーとかふーんとかなるほどーとかいろいろぶつぶつと言い始めた。
やっぱダメか。仕方ないからマジで今日貰った資料から決めるか。
俺が心の中で決断をしようとした時、隣から、そうだ!!と姫島が突然大きな声を出した。