瞬きの星
それでも未だ、頭の中に響き続ける耳鳴りの様なそれに。僕はただ気持ちを焦らせていた。

まただ。また聞こえた。

気のせいでは無い、小さな女の子の笑い声が聞こえる。

その声を消さない内に、僕は自転車からおりてゆっくりとその声を辿って追った。
するとそれは再びぴたりと止んで、団地の角へ置き去られた僕の目は、見慣れない白いワゴン車を頼りにしていた。

果たして、この中から聞こえてきたのだろうか。
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