瞬きの星
だんだん自分の鼓動が近づいて大きくなっていることに気づいた時には、僕は肩を上下させ呼吸していた。苦しい。どれだけ空気を吸っても、足りない。動悸の間隔がせまくなり、それと一緒に苦しみが増していく。苦しい。その苦しみから逃げようっというのか、足はさらに進んでいく。右足でぬかるんだ土を跳ね、左足がそれよりすこし前を踏み越し、体を運んでいく。呼吸と心臓の音だけが聞こえる中を、走っていた。