瞬きの星
一つの影が山道から転がりながら、落ちていく。体を冷たい砂利と折れた枝が打ち付ける。その不快感の後に鋭く細かいたくさんの痛みがおしよせてくる。
そしてついに、大きく強い大木が僕の体を受け止めた。背中から鈍い痛みが全体に広がる。体は溶けてしまうかのように熱い。
そして僕の目の前を、じわりじわりと温度をもたない暗闇が覆いつくしていった。
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