瞬きの星
22
インターホンを押す。もう一度押す。冷たいドアをゆっくり開けると、線香の香りの中に彼女のにおいがほんの少し残っていた。左手を握り締めながら、迷わず真っ直ぐに、その部屋まで進む。
「あら、お隣の、」
そこは彼女の部屋だった。もうすぐ小学生になる彼女の。
その部屋の真ん中に、倒れこんだように座っている母親がいた。
目だけが焦点をあわせる事なく、こっちを向いていた。
「あら、お隣の、」
そこは彼女の部屋だった。もうすぐ小学生になる彼女の。
その部屋の真ん中に、倒れこんだように座っている母親がいた。
目だけが焦点をあわせる事なく、こっちを向いていた。