年下*デイズ【短篇】
「あのねっ」
「光、やめとけよ」
晴輝が呆れながら言う。
「なんでよ、使えない晴輝が悪いんじゃん」
「俺!?」
……あれ?
「千秋くん、着替えないの?」
いつもなら部活前、千秋くんはジャージを着てるのに、今日は制服だ。
「今日一年は、部活ないんすよ」
「あ、そーなんだ…」
「光、千秋のこと離してやれよ」
「あ、ごめん……っ。そーだっ!晴輝!!」
部活に行こうとする晴輝を呼び止める。
「ん?」
「今日うち、親いないの!晴輝んちは〜?」
「うちも」
「じゃぁあたしが作ってあげる」
傍から見たら恋人の会話に聞こえるかもだけど、お互い親が居ない時はあたしが作るのが、当たり前になっていた。
勘違いしてほしくないけど、幼馴染みのよしみってヤツで。
「食えるもん作れよー」
「作れるもんっ!」
手を振り、教室を去っていく晴輝に叫ぶ。
なんだかんだで、仲いい幼なじみなんだよね。