年下*デイズ【短篇】




千秋くんはそんなあたし達を、じっと見つめてた。


「ん?」

「…仲いいっすよね。先輩達」

「幼なじみなだけだよ?」



長い時間を過ごしてきても、なぜか恋愛には発展しなかった。


……まあ、いまさら発展されても困るけど。


「妬ける」

「へ?」

「晴輝先輩は高崎先輩のこと、なんでも知ってんでしょ?」

「なんでも、ってわけじゃないけど…」



なんだか空気が変わった。


いつのまにか、教室には、あたし達以外はいなくなってて。



「千秋く……」

「先輩、さっきの話って何?聞かせてよ」

「は?」

「は?じゃなくて聞きたいし。気になんじゃん」



なんだろう……。
なんか千秋くんからフェロモンを感じるよ……?



口角を少しだけ上げた笑い方。
だからなのか、声がいつもより低いからなのか、このふたりきりの空間のせいなのか、



わからないけれど。




< 5 / 38 >

この作品をシェア

pagetop