年下*デイズ【短篇】
千秋くんはそんなあたし達を、じっと見つめてた。
「ん?」
「…仲いいっすよね。先輩達」
「幼なじみなだけだよ?」
長い時間を過ごしてきても、なぜか恋愛には発展しなかった。
……まあ、いまさら発展されても困るけど。
「妬ける」
「へ?」
「晴輝先輩は高崎先輩のこと、なんでも知ってんでしょ?」
「なんでも、ってわけじゃないけど…」
なんだか空気が変わった。
いつのまにか、教室には、あたし達以外はいなくなってて。
「千秋く……」
「先輩、さっきの話って何?聞かせてよ」
「は?」
「は?じゃなくて聞きたいし。気になんじゃん」
なんだろう……。
なんか千秋くんからフェロモンを感じるよ……?
口角を少しだけ上げた笑い方。
だからなのか、声がいつもより低いからなのか、このふたりきりの空間のせいなのか、
わからないけれど。