わたしと吸血鬼×2♥~秘密の薬~番外編
前編

怪しげな薬

桜も満開で涼しい季節も過ぎ、少しジメジメする梅雨時期になりました。
しかし、妖月学園高校の裏庭には365日咲き続けている1本の大きな桜の木は今日も雨にも負けず、風にも負けず、綺麗に咲き続けています。
そんなある日・・・・。
キーコーンカーンコーンキンコンカンコンっ~♪
少し変わったチャイムが鳴り響き、今からみんな大好き昼休みです。
新特製のお弁当を持ち、いつもの場所へ龍牙と一緒に行こうと思っていたら・・・バンッ!!!
勢い良く扉が開く音がし、それと同時に
「桜木さんっ!」
と、私を呼ぶ声がして、呼ばれた方に振り向くと
「古手川さん?」
・・・が、いかにもここまで全速力で走ってきたことが分かるくらい息を切らした状態で教室の入口付近に立っていた。しかもなんと、授業の時にしか拝見できない赤眼鏡をかけ、そして4時間目が理科であっただろうと推測できるように、とってもお似合いである白衣姿を着ているではありませんか!!
か、かかかかか、かわっ・・・
「さゆみ、お前そんなキャラだったか?」
「………」
龍牙が私のキャラ崩壊を未然に防いでくれたのに感謝しよう。
まぁ、私のキャラは置いておき、とりあえずっ!そのような格好で天使のような微笑みを向けながら私にかけた第一声が・・・
「出来たよっ!世界初の薬がっ!!」
「「「「「………………………………」」」」」
シーーーーーーン。
古手川さんの言葉に、教室中が静まり返った。
・・・なぜかって?それはね、こういうことだったのだっ!
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