天空戦記
5
数ヶ月後、神蘭は荷物を片手に母と話していた。
「本当に行くの?」
「・・・うん」
「お父さんは、最後まで望んでいなかった。寧ろ、軍に入らないことを願っていたのよ」
その言葉に神蘭は僅かに目を伏せる。
「・・・それでも、やっぱり許せないの。月夜のこと」
今でも父を失った夜のことは思い出せる。
今は月夜に対しては憎しみしかない。
「それに」
そして次に、父が封魔に自分のことを頼んでいたことを思い出した。
「父様は私のことを上司の闘神に頼んでいたけど、私は私のことを任せるつもりはないわ」
「神蘭・・・」
「だって、あの人達がもっと早く来ていたら、きっと父様も助かってた。どうして遅かったのか理由はわからないけど、父様を助けられなかった人を信用出来ない」
母が悲しげな表情をする。それでも止められなかった。
「私は、必ず強くなる。今よりもっと、もっと。・・・そして、いつか必ず・・・この手で月夜を討つ。私自身の身だって、守り抜いてみせる!」
(だから、見ていて、父様!)
そう言い切ると、神蘭は母に背を向け、振り向くことなく歩き始めた。
数ヶ月後、神蘭は荷物を片手に母と話していた。
「本当に行くの?」
「・・・うん」
「お父さんは、最後まで望んでいなかった。寧ろ、軍に入らないことを願っていたのよ」
その言葉に神蘭は僅かに目を伏せる。
「・・・それでも、やっぱり許せないの。月夜のこと」
今でも父を失った夜のことは思い出せる。
今は月夜に対しては憎しみしかない。
「それに」
そして次に、父が封魔に自分のことを頼んでいたことを思い出した。
「父様は私のことを上司の闘神に頼んでいたけど、私は私のことを任せるつもりはないわ」
「神蘭・・・」
「だって、あの人達がもっと早く来ていたら、きっと父様も助かってた。どうして遅かったのか理由はわからないけど、父様を助けられなかった人を信用出来ない」
母が悲しげな表情をする。それでも止められなかった。
「私は、必ず強くなる。今よりもっと、もっと。・・・そして、いつか必ず・・・この手で月夜を討つ。私自身の身だって、守り抜いてみせる!」
(だから、見ていて、父様!)
そう言い切ると、神蘭は母に背を向け、振り向くことなく歩き始めた。