天空戦記
2


「・・・・・・」


木刀を手に前に出た神蘭は、目の前でニヤニヤと笑っている少年を見据えた。


「此処が女の来るような場所ではないってこと、俺の実力でもって教えてやるよ」

「・・・・・・」


挑発するかのように言われたが、相手をするつもりはなかったため、ただ木刀を構え集中する。

それが不快だったのか、少年は顔を顰めた。


「始め!」


教官の声に少年が地を蹴る。


「らぁっ!」


接近し、上段から振り下ろされた木刀を避け、神蘭は懐へ飛び込んで木刀を振る。


「はあああ!」

「っ!」


初撃を防がれたものの、連続して斬り込んでいくと、勢いに押されてか少年は後退する。

そして、何度目かの打ち合いで神蘭は少年の木刀を弾き飛ばし、呆然とする少年に木刀を突きつけた。
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