天空戦記
2


「ねぇ、神蘭」


寮の部屋へ戻ってきてから、鈴麗が声を掛けてくる。


「何?」

「教官の様子、おかしくなかった?」

「鈴麗もそう思った?」

「・・・・・・ええ」


教官の態度に違和感を感じたのが自分だけではないと知り、神蘭は自分の中での胸騒ぎが大きくなった気がする。

そして、それは時間が経つほどに大きくなっていく。


(一体、何が起きようとしているの?)


そう思いながらも、何も起こらないことを祈る。

だが、その願いが叶わなかったと知ったのは、それから数時間後、眠りについているような時間帯になってからだった。
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